YuOkumura’s blog

日々のこと。暮らしのこと。好きなこと。仕事のこと。写真のこと。

バンクーバーから考える未来のこと

やっぱり外国っていいですね!一歩、空港に降り立った瞬間からいつもわくわくしてしまいます。日本とは違う匂いや、空気、色、音、があり、そしてもちろん違う人々がいますよね。

 

空港から降り立ち、とりあえず荷物を取られるのだけは気をつけようと心を引き締め、空港からダウンタウン(街の中心)へと伸びるスカイトレイン(ユリカモメっぽい、自動操縦)へ乗り込みました。約25分の距離で8カナダドルです。私たちがいた時は日本円が少し強くて1カナダドル約90円だったので、だいたい720円くらいでした。それでも少し高いですよね。

 

終点のウォーターフロント駅に着き、電車から出て街に降り立った印象は、いきなりですが、Weed(大麻)の匂いめっちゃする!!!でした。

 

カナダは大麻を医療用としてだけではなく、嗜好品として個人が買ったり、吸ったり、一定の量までなら育てる事を許されているので、街中や公園などではよくWeedの匂いがします。

 

カンナビスという看板が出ているショップに行けば、だいたいカウンターにお兄さんやお姉さんがいて、自分の気分を伝えるとそれに見合ったWeedをおすすめしてくれます。真っ白に統一された、びっくりするくらいきれいなショップや、こじんまりと店前に看板だけを掲げたお店など様々な種類のお店があります。店員さんと相談して、数あるWeedの中から自分にあったものをチョイスしていく感覚は、コーヒー屋さんで自分の好きな味をその産地や、豆のブレンド、淹れ方、飲み方から選んでいくのとさほど変わらない感覚だとおもいます。お店には地元の若い人や私たちの親世代(50,60代)の人、旅人など人種や年齢を問わず、多くの人が訪れていました。日本では考えられない感覚ですよね。ただ、購入するにはパスポートや国際免許証などのしっかりした身分証明書の提示が必要で、それをエントランスのガードマンに見せなければ店自体にも入れないことがあります。

 

みんな晴れた日の公園やビーチ、仕事の後、映画を見るときや音楽を聴きながら、またはクラブの中、寝つきが悪いときや身体に痛い部分があるとき(種類によっては眠気を誘ったり、痛みを和らげ、心穏やかにリラックスすることができるものもあるみたい)など、思いおもいの場所で、Weedを吸っているのが印象的でした。日本で大麻を所持することはもちろん違法なのですが、バンクーバーという街のなかで皆が楽しむ〝大麻〟には、ゆっくりとした平和な時間が漂っているように感じました。風や匂い、音や感情、友情、時間の流れ、愛などを大麻はより豊かに感じさせてくれるからかもしれません。

 

お酒や睡眠、運動、食事、恋愛、人生には様々なことがありますが、なにほども〝ほどよさ〟というものがあり、それも守らなければ失敗してしまうこともあるでしょう。自分自身を知り、自分に見合ったものを、よい気持ちの中でほどよく味わっていくのが、素敵なのかもしれません。

 

バンクーバーの街並みは、ヨーロッパほど整ってはいなく、また歴史も古くはありませんが、西欧風の建物や教会、古い建物と、最新の新しい高層マンションなどの建物や、様々な娯楽施設がダウンタウンやその周りにギュッと密集しているなぁ!という感覚でした。東京でいう表参道のような通りもありながら、道一本外れた通りにある公園の木にはリスがどんぐりをくわえて走っていたり、アライグマの親子や、臭い事で有名なスカンクちゃんに出会う事もできます。また、ビーチに行けばベンチの代わりに、大きな木の丸太が海岸と平行に置かれていて、そこに座ったり、もたれかかったりして、空飛ぶ鳥たちを眺めたり、打ち寄せる波に耳を傾けたりすることができます。

 

天気は夏季はカラッとした夏空が広がるそうですが、私たちが滞在した9月の初旬から下旬にかけては雨の日と晴れの日が半分半分ほどで、夏が終わり秋が訪れていることを感じました。気温は高くても22、3度、低いと12度くらいでした。けっこう肌寒かった!!夏以外の雨の多さからRaincouverとも呼ばれているそうです。地元の人々は雨の日でも傘はほとんどさしません。みんなフードをかぶる、もしくはなにもしない、雨がとても強くなった時だけ軒下で少し休むなどしていました。その姿がかっこいいので、もちろん私たちも傘は持ち歩きませんでした。

 

最後に、人!の話をしたいと思います。文章を書くのって大変ですね、結構疲れてきました。でもあと少し頑張ります!!

 

1番印象に残ったのはバンクーバーの街には、アジア系の人々が意外に多かったことと、ヤク中のホームレスが大量にいることでした。私たちの住んでいた家の近くには、大きなチャイナタウンがありましたし、若者からお年寄りまでたくさんのアジアの人々が生活していました。Wikipediaで調べたのですが、白人の割合は50%ちょっとで、そのほかの半分は、アジア人やラテン系、ターバンを巻いたイスラーム圏のひとびとやインド人など、いろんな人種の人々が混ざり合っていました。黒人の人々の数は意外と少ないようで、全体の数からしたら少数な印象がありました。

 

ダウンタウンに面したヘイスティングストリートという大通りがあります。ヘイスティングストリートを東に向かって歩いていくと、ある地点から東側の通り一帯には、大量のホームレスの人々が、路上で生活していました。日本のホームレスの人々と違う点は、そのほとんどが薬物中毒者であるということです。もともとバンクーバーはホームレスやヤク中が多かったらしいのですが、他の地域の安全性や治安をより良くするために、バンクーバーオリンピックの開催を機に、ヘイスティングストリート一帯にホームレスを集めたそうです。噂によると政府がヘイスティングストリート近辺の建物(病院!?)で、ヘロインやシャブなどどいった薬物を人々に配布することによって、ホームレスたちをヘイスティングストリート一帯に集めたそうです。カナダ政府えげつないですね。

 

バンクーバーの子供達は、学校の社会科見学(薬物の授業)として、バスに乗り、ヘイスティングストリートを通りヤク中ホームレス達の見学をするそうです。将来こうなりたくなかったら、絶対に薬物に手を出すなよ!!という戒めのためでもあり、実際に子供達に恐ろしさを体感させるためです。

 

実際に、私たちもKくんに連れられて、昼間のヘイスティングストリートを歩きました。〝治安が悪いといってもらそこまでじゃないだろう〟と、たかをくくっていましたが、想像を遥かに上回る衝撃でした。ほとんどバイオハザード。すれ違ったり道端に座っている人々の目は、完全にイッてしまっているし、道端であぶりをしている人、たぶんコカインではないとは思うけれど、大量の白い粉を手いっぱいに握り、鼻や口の周りを真っ白にしている兄ちゃん、いたるところに散乱する注射器の容器やその針。停まっているパトカーとごつい警察官。道に広げられる闇市の品々(全部盗品)。とにかく全てが想像を上回っていました。ヘイスティングストリートに隣接する、カフェや、スタバのトイレには、使用済みの注射器を捨てるためのボックスが設置されています。(やるならクリーンにやってねってことで、公園にもし、針が落ちていたら、子供達や、おしりが危ないからという意味です)比べられるわけじゃないのだけれど、日本でまあまあ治安が悪いと言われている。大阪の西成や、北九州とは比較にならないと思いました。けっこう本気でビビってしまいました。

 

一緒に歩いたKくんが説明してくれました。この人達の中には、薬物中毒になりたくてなっているわけじゃない人たちもたくさんいるよ。この人たちの中には生まれながらにして、すでに中毒者である、2世、3世の人たちもたくさんいて、お腹にいるときから母親が薬物を摂取しているために、生まれたときからこの環境に生き、抜け出すことができない、ひたすら堕ちるしかない人々もたくさんいるし、一度踏み込んでしまったひとは落ちていくしかないんだ。という事を説明してくれました。単に快楽を求めているから、とか育った環境がちょっと悪くて、とかそういうレベルの問題ではないと思います。もっとずっと深い理由がそこにはあり、カナダがかかえる、社会の問題や、歴史、理由を考えさせられました。同時に日本で暮らしている事。治安が良いことの有難さや、生きていくことについて考えさせられました。

 

治安の良さとは、周りの人々を信頼している、信頼できる社会という事だと思います。目を合わせてにっこりしなくとも、周りの人が自分に危害を加える恐れがない、ということをお互い認識しあっている社会です。そういう意味では、目を合わさずとも、日本は人と人とを信頼し合っている国であると思うので、これからもそういう国でありたいし、あって欲しいし、世界に誇れる日本の素晴らしいところだと感じました。

 

最後になりますが、外国の人々が目と目をあわせてにっこりしたり、他人同士であってもよく話しかけるのは、自分が相手に危害をくわえないこと、敵意を持っていない事を示すための重要な行動のひとつであると言われていますが、それを通して行われる、コミュニケーションの能力はすごくうらやましいと思いました。安全な日本であっては見知らぬ人同士はまず話さないし、相手を信用しているからこそ、目を合わしてにっこりするようなコミュニケーションも存在しない(たまにはあるかもしれないけれど、見知らぬ人に当然にっこりしたら、日本では気持ち悪いと思われるかもしれない)。だからこそ、ここまで信頼しあっている民族のなかにさらに欧米のようなコミュニケーション能力がもし備わっているならば、どの国にも自慢のできる、もっと素敵な国に日本はなっていけるだろうなと思いました。

 

ちょっとのお金と、時間と、感じる心を持って旅に出てみれば、なにかがそこには絶対あるはず!

 

さあ、今日も散歩いこう。

 

なんかいいことありそうでしょ!?

 

おわり